サステナビリティの取り組み事例
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「楽しさを競おう。」―地域・自然・参加者をつなぐ
「箱根ランフェス」で、新たな観光価値を創出

芦ノ湖や富士山を望む絶景、起伏に富んだコース、そして地域の人々との交流。 箱根ランフェスは、箱根の自然や絶景を楽しみながら走る、タイム計測なしの楽しむことに特化したスポーツフェスティバルです。開催時のみ開放される芦ノ湖スカイラインを舞台に、初心者から経験者まで幅広い参加者が箱根の魅力を体感。宿泊や地域周遊を促し、地域活性化にも繋げています。 JTBコミュニケーションデザイン(以下、JCD)は2017年の初開催から本イベントに携わり、地域や参加者とともにその価値を育んできました。今回は、企画立ち上げから関わる川杉章と、2025年度から大会を担当する菅野剛に、箱根ランフェスに込めた想いを聞きました。
スポーツの力で、箱根の新たな魅力を引き出す
箱根ランフェス誕生のきっかけは、2015年の大涌谷周辺の火山活動による観光客減少でした。地域活性化に向けた検討が進むなか、JCDが着目したのがスポーツツーリズムです。
川杉
箱根ランフェスは、JTBグループと箱根町が進めた地域活性化の取り組みから生まれました。私たちが目指したのは、単なるスポーツイベントではありません。箱根の自然や景観そのものを価値として活かし、新しい観光の楽しみ方をつくることでした。箱根は国立公園に指定される豊かな自然を有する一方で、観光客は温泉地など特定エリアに集中する傾向があります。
そこでJCDは、ランニングやウォーキングを通じて周遊を促し、「箱根をスポーツで楽しむ」という新たな観光価値の創出に挑戦しました。
スポーツツーリズムは、大規模な開発を伴わなくても地域資源を活用できます。人の流れや交流を生み出しながら、地域の魅力を体感していただけるのが大きな特徴です。
地域と自然を守りながら大会をつくる
箱根の自然を活かしたイベントだからこそ、環境への配慮も欠かせません。 立ち上げ当初から、大会運営では環境負荷低減を重要なテーマとして取り組んできました。
川杉
参加者の皆さまには公共交通機関の利用を推奨し、小田原駅からシャトルバスを運行しています。自家用車利用の抑制だけでなく、地域交通への配慮にもつながっています。
また、会場では既存資材の再利用を進めるほか、給水所では折りたたみ式マイカップの利用を推進しています。
2026年大会ではさらなる取り組みも始まりました。

菅野
2026年大会では、パートナー企業との連携によりウォータージャグ(大型給水タンク)を導入しました。ペットボトル削減につながる取り組みです。また、トレイル利用による環境影響のモニタリングも実施し、自然環境の保全と活用の両立を目指しています。
来場者には公共交通機関の利用促進やシャトルバス運行を企画し、2025年大会では「CO₂ゼロMICE®」を導入、来場者の移動によるCO₂排出量を含めた約70トンのCO₂をカーボン・オフセットしました。
JCDはイベントを通じて、地域と環境の双方に配慮した持続可能な運営を追求しています。
地域と参加者がともに育ててきた4,500人のイベントへ
2017年に約700人でスタートした箱根ランフェス。
順調に成長を続けていたなか、新型コロナウイルス感染症の影響により開催中止を余儀なくされました。
しかし、そこで歩みを止めることはありませんでした。
川杉
オンラインマラソンを実施したり、『KEEP RUNNING』のメッセージを込めたTシャツをお届けしたりしながら、参加者の皆さまとのつながりを絶やさないよう取り組みました。私たちは参加者の皆さまを、箱根をともに盛り上げる仲間だと考えています。
こうした積み重ねが参加者や地域との信頼関係につながり、大会再開後の成長を支えました。
菅野
2026年大会は約4,500人規模で開催しました。ランニングだけでなく、トレイルツアーやノルディックウォーキング、ロゲイニングなども実施し、箱根の自然をさまざまな形で楽しめるイベントへ発展しています。2日間開催によって、参加者が温泉や飲食を楽しむ機会も生まれ、地域経済への波及効果にもつながっています。
地域事業者からは「これからも続けてほしい」という声も多く寄せられているといいます。

地域とともに未来を創る
箱根ランフェスは、スポーツイベントの枠を超え、地域・参加者・企業が価値を共有する場へと成長しています。
川杉
私たちが目指しているのは、イベントの成功だけではありません。地域活性化や環境保全といった社会的価値と、事業としての持続性を両立することです。箱根ランフェスは、まさにCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)の実践そのものだと思っています。
JCDが持つ「場づくり」の力を活かし、人と地域、そして自然をつなぐ。 箱根ランフェスはこれからも、地域の新たな魅力を発信しながら、持続可能な地域づくりに挑戦し続けます。

Profile

川杉 章
プロモーション第三事業局
シニアエグゼクティブプロデューサー
1998年入社。地域プロモーション事業を担当。社内新規事業に参画後、地域振興、スポーツツーリズム、地域ブランディングをテーマに、JSTA(日本スポーツツーリズム推進機構)の立ち上げなどに従事。現在 は事業創出などを担当。

菅野 剛
プロモーション第三事業局 営業第二課
2023年入社以来、営業担当として自治体のプロモーションやパラスポーツ系イベントの広報業務、焼酎関連の組合の年間PR 業務などを担当。2025年度より箱根ランフェスを担当。
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