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展示会から変わる未来 ─ JCD×昭栄美術が挑むCO₂削減

2025年1月に東京ビッグサイトで開催した「nano tech 2025 第24回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano tech 2025)」。ナノテクを基盤とす る技術が集うこの国際展示会で、共創パートナーの昭栄美術様とともにCO₂削減の取り組みを推進。さらに、イベント運営におけるCO₂排出量を算 定・公表し、脱炭素社会の実現に向けた一歩を踏み出しました。

  • 杉岡 晃輔 氏
    株式会社昭栄美術
  • 香田 純   
    トレードショー事業局

事業パートナーとの協業によるCO₂削減への挑戦

香田
ナノテクを基盤とする技術が集う国際展示会「nano tech」は、JCDが第1回から主催してきた大型展示会です。今回、脱炭素社会への貢献という社の方針を具体化するために、この展示会でのCO₂排出量算定を実施することになりました。 展示会でのCO₂排出量削減は当社だけでは成し遂げられない課題であることから、問題意識を共有し、協働して取り組んでくださる事業パートナーの存在が不可欠だったため、本展示会の事業パートナーである昭栄美術様にご協力をいただきました。

杉岡様
私たち昭栄美術は、1979年の創設以来、企画から設計・施工までを一貫して行っているディスプレイの総合企業で、展示会とは深い関わりがあるため、資材や運搬、電力使用などの「ムダ」を排除すべく、早くから3Rに取り組んでいます。2019年、市川市に開設した約8,200坪の自社工場では2020年にはISO20121を取得しています。CO₂削減を推進してきた背景があるからこそ、JCDさんの試みに強く共感しており、今回の取り組みは大変意義のあるものだと感じました。弊社にお声かけいただいた背景を教えていただけますか。

香田
この取り組みの立ち上げより前に、昭栄美術さんの工場を見学させていただく機会がありました。その際、リユース部材や、使用済み資材のアップサイクル、段ボール印刷による脱プラ技術などを目にし、環境に配慮した設備が整っていることを知り、感銘を受けました。この見学を通じて、協働体制をしっかりと築けるパートナーであることを確信していました。今回の展示会でもさまざまなご提案をされていましたね。

昭栄美術様の工場内に設置されたサステナビリティブース見学のようす

CO₂排出量算定で見えてきた、変化と未来の課題

香田
今回、展示会運営に伴うエネルギー使用や参加者の移動、廃棄物処理などの要素から「nano tech 2025」で発生するCO₂排出量を算定して、その環境負荷を可視化しました。計測の結果、総排出量2,467tのうち、約9割が来場者や出展者の移動・宿泊によるものと判明しました。この算定を通じて、コロナ禍対策として導入したハイブリッド開催により、来場しなくても参加できる展示会の価値を再確認しました。また、算定結果の公開をしたことで、来場者が環境負荷の少ない交通手段や宿泊事業者を選択するなどの意識改革をもたらすことにつながると考えています。

杉岡様
算定結果の公開は非常に意義にあることだと感じます。展示会を持続可能なイベントとしていくために、海外の展示会でもさまざまな取り組みが見られますね。

香田
この1年間を見てみても、海外パートナーの展示会では制作物の素材が環境に配慮したものへと変わっていて、CO₂排出量の抑制に向けた取り組みが進んでいることを強く感じます。将来的には当社展示会でも導入して、現地参加者向けに「CO₂ゼロ出張」のようなオフセットパッケージの提案をしたいと思っています。

杉岡様
当社でも、イベント後の廃材を再利用する「循環型ディスプレイ」の一つとして大型3Dプリンターによる資源活用など、サーキュラーエコノミーの視点からさまざまな提案を行っています。今後も独自の挑戦を重ねて、JCDさんのような主催者と共創して持続可能なイベントを広げていきたいと思います。

香田
CO₂の算定はあくまで出発点です。今後はオンライン参加の充実や、施工会社さんと連携した出展者向けエコプランの強化を進めつつ、「どんな価値を生み出せるか」を常に問い続けながら、持続可能な展示会づくりを目指していきます。

PROFILE

  • 杉岡 晃輔 氏
    株式会社昭栄美術
    第2営業本部 第3営業部営業2課
    新卒で昭栄美術に入社し、展示会施工事務局の立ち上げに携わる。
    現在は展示会主催サポート業務を中心に、企画から制作、施工、運営まで幅広く担当している。
  • 香田 純
    トレードショー事業局
    nano tech 実行委員会事務局
    2018年より主催展示会「nano tech」に携わる。インバウンド受託経験を活かし、
    企画や連携を通じて出展者・来場者の満足度を高めることに注力している。

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